2014年10月29日水曜日

権限と権原


司法書士の岡川です。

「けんげん」という言葉を聞いて、漢字でどう書きますか?

おそらく、多くの人が「権限」と書くでしょう。
漢字テストでも「権限」と書かないと、たぶん×をくらうと思います。

しかし、法律用語の「けんげん」には2種類あり、「権限」のほかに「権原」という語もあります。
両者は、別の概念なので、きちんと使い分ける必要があります。

「権限」というのは、(他人のために)何かをすることができる範囲のことをいいます。
代理人の「権限」とは、その代理人がどこまでやってもよいかを示します。



例えば、他人に契約締結の「権限」を与えたり、代理人が与えられた「権限」の範囲外の行為をして問題になったりします。


これに対し、「権原」というのは、何らかの行為を正当化する法律上の原因をいいます。
例えば、ある人が建物を使用収益する場合、その建物の所有権や賃借権等がその「権原」ということになります。


このように、同音異義語の「けんげん」ですが、口頭で相手に伝えるときは、権原の方を「けんばら」と言うこともあります。

では、今日はこの辺で。

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