2014年4月11日金曜日

少年法改正

司法書士の岡川です。

少年法の改正法が本日成立しました。

改正少年法:成立 厳罰化、有期上限20年に 

改正により、有期刑の上限は20年に、不定期刑の上限も「10年以上15年以下」にそれぞれ引き上げられ、従来より重い刑を科すことが可能となる。不定期刑の幅が広がりすぎないようにする規定も設けられた。
少年法は、少年の更生のため、刑法に規定された法定刑よりも軽いを科すことができるよう規定しています。

特に、少年が18歳未満の場合、死刑相当の犯罪には無期刑が科されることになり、無期刑相当の犯罪に対しては、有期刑が科されます(少年法51条)。

また、有期刑相当の犯罪に対しては、「何年以上何年以下の懲役に処する」といった不定期刑を科すこともできます。
これは、確定した期間を定めることなく、罪を犯した少年の更生の度合いによって柔軟に刑期を決めるためです。


さらに、少年法に定められた有期刑や不定期刑の上限は、通常の刑法の法定刑よりも軽くなっています。


ところで、何年か前の刑法改正により有期刑の上限が引き上げられたのですが、少年法のほうは特に上限引き上げなどの改正はされませんでした。
そのため、刑法に定められた通常の刑期と、少年法に定められた刑期の差が大きくなっていたのです。

今回の改正は、その差を埋めるためのものです。


少年法に限らず、刑罰を厳しくすればするほど犯罪が減るということはありません。
ただ、適正な刑罰を科すことで犯罪を抑制しようとするのが法の存在意義であるなら、「軽すぎる」のはやはり望ましくありません。
自然科学と違って、適正な刑量というのは、実験などで調べることは困難ですので、本当に適正化されたかどうかはわかりません(まだ軽いかもしれないし、厳しすぎるかもしれない)が、今回の改正が少年犯罪の抑止につながればよいですね。

では、今日はこの辺で。


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