2013年9月17日火曜日

成人した子の犯罪(容疑)と親の責任

司法書士の岡川です。

先週・・・というより、先々週から体調を崩してまして、さらに先週末あたりから酷くなり、ブログを書いてる余裕もありませんでした。
書くネタはあったんですけどね。


さて、みのもんた氏が朝の情報番組を出演自粛した一方で、ラジオ番組の出演は継続するということになったようで、これに対して賛否両論が巻き起こっているようです。

朝の情報番組については、犯罪報道なども扱うわけで、公平なコメントができないとか、そもそも息子の容疑についてどう扱うのかという問題もあり、出演自粛は妥当な判断でしょう。

他方、賛否両論のラジオ番組の出演継続ですが、私は、これをダメという理由はないと思います。


みのもんた氏の出演するラジオ番組は、娯楽番組だそうです。
「息子が犯罪の容疑で捕まったから」という事情があったとしても、娯楽番組を自粛しなきゃならない理由が、私にはよくわからない。
まあ、「みのもんた氏自身の疑惑」についてはひとまず置いときますが。

犯罪をした(という容疑がかけられている)のは、息子であって、みのもんた氏自身ではありません。
息子の方も、もう30を過ぎた立派な大人であり、その責任は自分で負うべき年齢です。
仮に容疑が事実なら、刑罰を受けるのは息子であり、民事的に損害を賠償するのも息子です。


もちろん、完全に「30過ぎの息子は別人格だから私には関係ない」と突き放すわけにもいかないでしょうし、道義的に、親として被害者に(あるいは世間を騒がせたなら、世間に対して)謝罪すること等は求められることもあるでしょう。
なんせ、その人を育てた(あるいは、きちんと育てなかった)のは親であるみのもんた氏ですからね。
ここは、法的責任と、道義的責任は別に考える必要があります。


ただ、だからといって、「みのもんた氏が仕事を自粛する」という意味がよくわかりません。

例えば、政治家のような公人であれば、「自分の息子が犯罪者で、天下国家を語れるのか!」とかいう批判が出たり、組織の偉い人なら、部下に対して示しがつかないとか、いろんな事情で仕事を自粛することもありそうです。

ただ、みのもんた氏は、フリーのアナウンサーだかタレントだか知りませんが、 所詮はただ有名なだけの私人に過ぎない。

その彼が、何のために自粛して、自粛したら何になるのか。



「責任をとって自粛」というと、何となくわかるような気もしますが、よくよく考えると、何だかよくわからない論理のように思います。

実際のところ、自粛すべき理由って何なんでしょうね?




まあ、正直なところ「どっちでもいい」ってのが本音ですが。


では、今日はこの辺で。

2 件のコメント:

  1. そのとおりです。
    そんなこといってたら親が老人ホームに入っても息子の面倒見なきゃならなくなる

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  2. >匿名さん

    そうですね。
    基本的には、成人したら自分の責任は自分で取るのが原則だと思います。

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