2013年8月5日月曜日

続・社団法人と財団法人

司法書士の岡川です。

前回の続きです。

社団法人や財団法人というのは、「何の集まりか」に着目した法人の類型ですが、現在、「社団法人○○」とか「財団法人○○」という名前の法人も存在します。
当然といえば当然ですが、これらの法人のうち、(講学上の分類で)前者は社団法人に属し、後者は財団法人に属する法人です。

平成18年改正(公益法人制度改革)前の民法には、「社団法人」という名の社団法人や「財団法人」という名の財団法人に関する規定が存在しました。
そして、講学上の概念である社団法人や財団法人の中でも、「社団法人」や「財団法人」を名乗れる法人は、改正前の民法に基づいて設立された法人に限られます。
これら「民法に基づいて設立された法人」は、かつては「狭義の社団法人」「狭義の財団法人」というふうにいわれていました。

ところが、民法が改正され、「社団法人」という名の社団法人や「財団法人」という名の財団法人は存在しなくなりました。
ただし、今は新制度への移行時期なので、経過措置として、民法改正前に「社団法人」「財団法人」として設立された法人は、まだそのまま存続しています。
経過措置の間、存続しているこれらの法人を「特例民法法人」といい、現在、「社団法人○○」と名乗っている法人は「特例社団法人」、「財団法人○○」と名乗っている法人は「特例財団法人」といいます。

特例民法法人は、今年の11月までに、特例社団法人は一般社団法人か公益社団法人に、財団法人は一般財団法人か公益財団法人に移行するための手続きをとらなければいけません。
手続きがされなければ、そのまま解散することになります。
したがって、今年の12月には、「社団法人○○」「財団法人○○」という法人は、日本から無くなります。
今後は、「広義の社団法人」とか「狭義の社団法人」とかいう使い分けは無くなり、「社団法人」といえば専ら「法人格を付与された人の集合体」を表す語になります。

「(民法上の)『社団法人』じゃない社団法人」とかが無くなるので、分かりやすくていいですね。

では、今日はこの辺で。

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